marginal woman -境界人-

​2018-2019

text・two channel video 7'15"

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本作は、戦時中に故郷を離れ、70年以上を異国の地で暮らす女性たちに焦点を当てる。

私が彼女たちと出会ったのは、韓国南部にある” 慶州ナザレ園”と、京都東九条にある”故郷の家” という福祉施設である。

慶州ナザレ園は、戦前に内地の朝鮮人男性と結ばれて朝鮮半島へと渡った在韓日本人女性たちが暮らす施設であり、故

郷の家は、在日コリアンの高齢者が多く入所されている施設である。どちらの施設も、日本・韓国へ望郷の念を抱きながらも、様々な理由により帰郷を断念した方が多く入所し、自国のアイデンティティを守りながら暮らしている。

本作では、彼女たちが自身の人生を綴った詩と歌を詠う姿が映像で流れる。彼女たちは、その詩や歌を仲間たちと何度も口ずさむことで祖国を思い、慰め合ってきた。彼女たちが作った歌や詩を聴くと、彼女たちが相異なる文化にはさまれ、そのどちらにも完全に同化せず、いつも「まなざし」の意識を持っている事に気づく。彼女達を通して、異なる文化の狭間でのアイデンティティの確立や、社会に根深く存在する女性の地位の問題について考える。